Ⅳ.供給インフラ

天然ガスパイプラインの状況

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 昭和37年に、新潟のガス田から東京への330kmの長距離パイプライン(東京パイプライン)が完成し、新潟から首都圏への天然ガス供給が実現しました。それまで都市ガスは、石炭を乾留してガスを製造して供給していましたが、東京パイプラインの完成により、天然ガス化が進むことになりました。東京パイプラインの関連では、静岡ライン、新東京ライン、富山ライン等が敷設され、あるいは建設中です。

 平成8年には、新潟から仙台へのパイプライン(新潟-仙台パイプライン)が完成し、新潟のガス田から山形、福島、仙台周辺への天然ガス供給が実現しました。平成23年の東日本大震災発生時、津波により仙台市ガス局のLNG基地が被災し、機能停止に陥りましたが、仙台パイプラインにより新潟からの代替供給が可能となり、早期に復旧を完了することができました。
これらの他、秋田、北海道、千葉等にも、ガス田から需要地までのパイプラインが敷設されています。

 このような石油天然ガス開発企業によるパイプライン以外にも、電力会社、都市ガス会社によるパイプラインが敷設されていますが、資源エネルギー庁では、平成24年6月、天然ガスシフト基盤整備専門委員会報告書をまとめ、広域天然ガスパイプラインネットワーク整備に向けた方策をまとめました

地下貯蔵とは

 ガス需要は冬季と夏季とで大きな差があることから、不需要期に地下の地質構造内に天然ガスを圧入して貯蔵し、需要ピーク期にこれを取り出すことによりパイプラインの送ガス量を平均化することで、ガス事業の経済性を大きく改善するために行う、いわば天然ガスの地下タンクです。

 タンク代わりとなる地下構造としては、欧米では、枯渇油・ガス田、滞水層、岩塩層が利用され、600ヶ所以上が稼働していますが、わが国では、構造性の枯渇油・ガス田のみが利用され、新潟県内で5ヶ所(関原、中条、片貝、紫雲寺、雲出)が稼働中です。構造性の枯渇油・ガス田は、油・ガスの集積構造(背斜構造等)と不浸透層(キャップロック)があるので、天然ガスを圧入することで貯蔵することができます。鉱山の残存ガスがクッションガスとなり、必要に応じてワーキングガスを圧入したり取り出したりします。

LNGとは

 天然ガスは、常温では高圧で圧縮しても液体にならないため、輸送のためにはパイプラインか高圧ボンベを使用します。しかし、-162℃以下に冷却すると液化し、気体の約1/600の体積になりますので、これをLNG(Liquefied Natural Gas :液化天然ガス)と呼び、これによって、天然ガスを大量輸送・貯蔵が可能になります。

 わが国が海外から輸入する天然ガスは、全量LNGの形で輸入しています。天然ガスは、産ガス国において液化され、専用のLNG船によってわが国まで輸送され、輸入基地のLNGタンクに貯蔵された後、LNG気化装置によって天然ガスに戻されて消費者に供給されます。輸入基地から、更に、内航LNG船、LNGタンクコンテナやLNGタンクローリによって、地方都市ガス等に再輸送されることもあります。

 一方、国産天然ガスは、一般に、パイプラインによって需要家に供給されていますが、北海道においては、一部、LNGに液化され、内陸の地方都市ガス等に供給されています。

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